宝厳寺探訪(観音堂・千手千眼観世音菩薩)

観音堂(重要文化財)

千手千眼観世音菩薩を納めた観音堂があります。西国三十三所の第三十番の札所で、重要文化財に指定されております。 このお堂は傾城地に建てられた掛造りで、皆様がお参りされておられる仏間は2階にあたります。天井裏にも昔の絵天井の名残が見て取れると思います。

千手千眼観世音菩薩

一般に「千手観音」と呼ばれますが、正しくは「千手千眼観世音菩薩(せんじゅせんげんかんぜおんぼさつ)」といいます。
「千手千眼」の名は、千本の手のそれぞれの掌に一眼を持つとされることに由来し、千本の手は、いかなる衆生も漏らさず見つけ、救済しようとする、観音の慈悲と力の広大さを表しています。
竹生島宝厳寺に安置される千手千眼観世音菩薩像は、西国三十三所の第三十番札所、観音堂の御本尊であり、当山御本尊の弁天様と同じく、60年に一度だけ御開扉される秘仏です(次回の御開扉は2037年)。
秘仏ゆえ、御厨子の中に安置されていますが、等身大でつくられたと言われており、約1.8メートルの身の丈は御厨子の扉よりも大きく、それはすなわち、御厨子は菩薩像が安置された後、その周りを取り囲むようにして築造されたということを示しています。
御前立の菩薩像の背後にある御厨子の扉には左右に一つずつ、二つの菊の御紋が見られますが、その間、ちょうど御前立像の背後にあたる位置には五七桐紋が施されています。