住職ブログ

千社札

2014年02月07日

ブログの更新が大変に遅くなり、誠に申し訳ございませんでした。

当山では、昨年9月より、6年間の計画にて、国宝『唐門』・重文『観音堂』・重文『舟廊下』の屋根工事と漆や極彩色の修繕や補修の工事を行っていることは、皆様もう御存知頂いていると思います。これらの建物は、柱や壁・垂木など全体が漆で塗られており、そこに施されている彫刻や極彩色は、他に類を見ないほどの重要な文化財として大変有名なものです。

そこで、文化庁からの指示のもと、建物を守るという意味から それらのお堂では「千社札」を禁止致す事としました。お札の接着剤が漆を溶かし、彩色を消してしまうからです。昔からの風習ではありますが、最近は、専門家ではなく只のマニアの方が増え、目に余る行動をする方も増えて大変に困っているからです。

先日、こんな大変なことがありました。修理の第一段階として『舟廊下』の修理のため、まず千社札をすべて撤去いたしておりました。そのとき漆・彩色の専門者と剥がしているすぐ後ろで人の気配、振り返ると一枚の赤色の千社札(正確に言えば収め札)が貼られていました。直にその人を呼び止め、行為を強くご注意しました、目の前には千社札等の禁止の注意勧告版の設置してあり、しかもその場で一生懸命剥がしている我々の姿があるのですから・・・。

しかしその方は、「何が悪いんだ!」と居直り、このお寺は不親切だとお怒りになる始末、本当に悲しい人ですねぇ・・・。その人の目の前で剥がしたその赤い札を見てみると、四国礼状の先達様のものでした。先達ともあるお方なら、しかも赤い札まで持っている方なら、行いの良し悪しぐらいわかるはずでしょう。いや、大人なら持っているべき常識の範疇です。

自分の行動に責任の持てない方が増えました。この行動が「人に迷惑おかけないか」「人の心を傷つけないか」と考えない方が多くなったと思いませんか? 自分の思い通りになれば気が済む、自分さえ良ければそれでいいんだという考え方が広がっているとは思いませんか?

今後こういうことがあった場合、警察に通報をすることにしている旨をお伝えし、この先達様にはお帰り頂きましたが、今のそんな現代人風潮について私たちは考え直すべきところに来ているのではないでしょうか。もっと心豊な社会に夢を懸けなければいけないのではないでしょうか?

千社札を貼ることは、文化財保護法にも触れる犯罪で、処罰の対象にもなることを知って頂きたいと存じます。