住職ブログ

人間は自分の驕りになかなか気が付かない。

2013年12月18日

 ある大手旅行社主催の西国霊場巡拝ツアーの方々がお参りになりました。ツアー参加者の方々は、大変にマナーよくお参りをされていましたが、あろうことかその先達の態度の悪さに目を丸めました。本堂(観音堂)に入ってくるや否や、当山の職員に「自分は位の高い先達なんや、内陣に入れんか!」と大声で凄んだのです。職員が、内陣は儀式をする大切な場所であるし、国宝の建物なので傷が付いたりするのを防ぐため、誰でも自由に入れないように。」と言われていると答えたところ、「自分は西国も中先達やし四国は大先達なんや!」「それに自分の知っている先達はまだ「タダの先達」やのに、この前中へ入れてもろとったやないか。わざわざ、参拝人を連れてきてやってるのに。」と悪態をついて、しぶしぶ外陣でお経を挙げて帰っていきました。実はこの先達 今回が初めてでなく、お参りに来るたびにこのように悪態をついていると担当職員から何度も報告を受けておりました。

あまりの態度と口の悪さに、しかたなくその先達を呼び止めて話をさせて頂きました。私はこの先達とは初めのて面会だったのですが、年の頃は50代後半位。在家の方ではなく禅宗の僧侶である事が判りました。彼にお寺にとっての内陣の重要性をを説明し(彼も僧侶なら解かっていて当然)、また、先日の先達さん(彼が言うタダの先達さん)は私の知人で、『西国札所先達研修会』などでもよくお会いし、信頼をしている方であること(因みに悪態のこの先達は参加していたことが全くありません)。そして当然に来山ではなく きちんと手順を踏んで事前に参拝と法話の依頼を受けていたことを説明しました。

「いやー、申し訳ない。すいません・・・。」と返事はするもののニヤニヤ笑いながらで、反省しているようでもなく、四国霊場の先達さんは巡拝回数のあわせたお色のおさめ札を持っていらっしゃいますが、この先達も自分の銀色の札を自慢げに取り出し、「まっ、よろしく頼みますわ。」と挨拶をしてきました。銀の札に私が関心を示さないのを見て、プイっと帰って行かれました。

 誠に悲しい事ですが、さすがに私もこの先達氏の行動・態度には怒りさえを感じぜずにいられませんでした。銀色の自分のおさめ札を出して、なんと言って欲しかったのでしょうか? 確かに銀色のおさめ札を持つという事は、大変数多く四国霊場の巡拝をしている方で、その行いは尊い事です。しかしその態度は、銀のお札に似つかわしいのでしょうか。私も金色や錦色のおさめ札を持っている四国霊場の大先達さんを何人か存じ上げています。しかしその態度は決して偉ぶったものではありません。かえって腰が低く、言葉遣いも丁寧な方ばかりです。決して驕ったところがないのです。本当の先達さんらしい姿だともいます。お坊さんが偉いのではありません、先達さんが偉いのではありません。仏様が尊いのです、お参りする心が尊いのです。私たちは「お参りの心」を自分の行動や姿を通して人々に伝えていかなければならないのです。お坊さんらしい態度、お坊さんらしい言葉遣い。先達さんらしい態度、先達さんらしい言葉遣い。謙虚な心でお参りですることを忘れたくないものです。